― 「おらが丼」の食べ歩き ―
昨年ぐらいから千葉県の房総半島へ探索ツーリングに行く様になり、その際に鴨川市内で「おらが丼」という幟(のぼり)を見つけました。
「おらが丼」を調べてみたら地元で取れた新鮮な野菜、魚介類、肉などの食材を使った「私の自慢の丼ぶり料理」という意味だそうです。
この「おらが丼」は鴨川市商工会が「食による町おこし」として企画したものだそうで、2017年度現在で44店が参加しています。お店の詳細などは「かもがわナビ」を参照してください。また、2017年度版のパンフレットはこちら。
その後、約1年半かけて南房総方面に行った際には鴨川に寄って「おらが丼」を食べ歩いてみました。事前予約を必要としない38店に行って、食べ比べてみた結果を以下にご紹介します。
感想はあくまでも個人的な主観で、味、食材の質と量、料理の見栄え、店の雰囲気と接客態度、提供価格などを考慮して私なりにランキングしてみました。特に私はコスパには拘りがあるので、多少その点に引きずられて評価しているため、あまり参考にならないかもしれません。
また掲載している提供価格は実食した際の値段なので、現在は変わっていることもありますので予めご了承ください。
― お気に入りの丼ぶり 10選 ―
【第1位】★★★★★
地魚料理 船よし「どんぶりセット」1,450円(税込)
元漁師が店主というお店で魚介料理のメニューが豊富で日替わり限定メニューもあり、しかも安くて美味しくボリュームもあります。「どんぶりセット」は海鮮丼に加え煮魚が一品、小鉢、香の物、味噌汁が付きます。味噌汁(あら汁、つみれ汁、磯汁の3種)はセルフでお代わり自由です。その他の丼ぶりメニューには、地魚の漬けをご飯の中に仕込んだ「二階建て海鮮丼」(1,680円)やアジフライと炙り丼がセットになった「アジフライ定食」(1,380円)などもあります。コスパの良い人気店なので、11時に開店すると地元のお客さんに加えて他府県ナンバーのお客さんも集まってきて、すぐに満席になってしまいます。
【第2位】★★★★★
食事処 なかむら「びっくり海鮮丼」1,300円(税込)
海鮮丼のネタが豊富でウニまで乗ったコスパの良さが人気のお店です。海鮮丼には小鉢、香の物、味噌汁が付きます。安房小湊駅西側の奥まった線路際の分かりづらい場所にあるお店にもかかわらず、平日の昼時は地元のお客さんで、土日の昼時は観光客でかなり混みあいます。
【第3位】★★★★★
わかしお市場 ヤマト水産「わかしお丼」1,080円(税別)
安房鴨川駅(北口)のスパーION(イオン)の1階に「わかしお市場」という地元食材を扱うお店が集まった一角があり、その中にある鮮魚店のヤマト水産が提供する持ち帰り海鮮丼です。にぎり寿司や巻き寿司もあり、どれも新鮮で低価格で提供されています。この店で海鮮丼を買って、前原海岸の防波堤に座って太平洋を眺めながら食べると最高です。
【第4位】★★★★☆
レストラン亀楽亭「ハレオハナ丼」1,230円(税込)
亀田総合病院の亀田Kタワー13階にあるイタリアンと和食を融合させたお洒落なレストランで、窓からの眺めるオーシャンビューは最高です。壮大な太平洋を見下ろしながら新鮮な魚介と野菜を色鮮やかに盛り付けた海鮮丼に温泉卵を絡めて食べていると、どこか外国のお洒落なレストランで食事をしている気分になります。思いっきり和食だけどね(^^;
【第5位】★★★★☆
お食事処 名代亭「おらがX丼」1,500円(税込)
安房鴨川駅から県道34号線(長狭街道)を北西に10Kmぐらい入ったところにポツンとあるお店ですが、海鮮丼では超有名な人気店です。ご飯の上に地魚などが乗っかった海鮮丼の上に、もう一段刺身の桶が乗った二段式の海鮮丼で、ミニサラダとアラ汁が付きます。更に海鮮丼にはサザエの刺身やウニなどを追加した「なだいXX丼(たぶるえっくすどん)」(2,000円)というのもあり、他にもにぎり寿司、うな重、天婦羅、麺類など豊富なメニューがあります。
【第6位】★★★★
すし 笹元「笹元のばらちらし」1,580円(税込)
めずらしい女性の寿司職人さんが作ってくれる海鮮丼です。地魚と地野菜を色鮮やかに乗せた美しいちらし寿司に、サラダ、小鉢、味噌汁が付いて、とても女性らしさが感じられるお料理です。やっぱり、おすし屋さんの仕事は丁寧で美味しいですね。
【第7位】★★★★
すし たつ美「上ちらし」1,500円(税別)
地元のお客さんが多いお寿司屋さんで、寡黙な寿司職人のオヤジが拘った地魚をはじめとする食材をシャリが別になった重箱に盛り付けて提供するちらし寿司です。プラス100円でセットにすると小鉢と茶わん蒸しが付いて、とってもお得です。
【第8位】★★★★
みんなみの里「お山のぶぅ丼」1,200円(税込)
鴨川の山里文化や生活を紹介、地域の産品販売、農業体験を通じた交流、地域情報の発信活動をする施設に併設された地場食材を使った食堂が提供する丼ぶりです。甘辛く柔らかくなるまで煮込んだ豚の角煮がゴロっと3つ、地野菜と一緒に乗っかってるボリュームたっぷり丼ぶりで、香の物とみそ汁が付きます。この他に農林水産大臣賞を受賞した「里山セット」(1,000円)という名物メニューもあります。
【第9位】★★★☆
地魚料理 中むら「山海とろろ丼」950円(税込)
地元の食堂という感じの小さなお店で、房総の特産である山芋を出汁で伸ばして地魚と合わせ、ご飯の上にぶっかけた丼ぶりです。見た目はとても地味ですが、お茶漬け感覚でサラサラと食べられ、小鉢、香の物、味噌汁も付いて安くてとっても美味しい丼ぶりです。
【第10位】★★★☆
お食事処 薩摩「海鮮丼」1,100円(税込)
亀田総合病院の裏手の路地奥にある地元の食堂兼居酒屋という感じの小さなお店で、お客さんも地元の方が多い様です。目の前で捌いた新鮮な地魚の刺身が乗った海鮮丼に、小鉢、香の物、味噌汁が付きます。お店は地味だけど安くて美味しい海鮮丼です。
― その他の丼ぶり ―
【ランク:★★★】
●和食亭 浜よし「鮮魚三種づけ丼」1,600円(税込)
観光客が多い安房小湊の「鯛の浦」近くにある魚介料理のお店です。海鮮丼には、小鉢、アラ汁、香の物が付きます。すぐ近くに東安房漁協小湊支所の直売所「活き活き小湊ウオポート」があり、私はいつもここでお土産を買ってます。
●食事処 千家「海鮮重」1,780円(税込)
鴨川名物のさんが焼のそぼろ、甘エビ、カニ爪などが乗っているボリュームのある海鮮重で、小鉢、香の物、味噌汁が付きます。内浦海岸が目の前なので、浜辺を眺めながら食事ができます。
●地魚寿司 中乃見家「三楽流☆まかない丼」2,160円(税込)
なめろうを三つの食べ方(醤油、酢、まご茶づけ)で食べさせる海鮮丼で、先付け、小鉢、味噌汁が付いてきます。さすが寿司職人の仕事だけあって美味しい丼ぶりですが、「まかない」という割りには良いお値段です。
●かしわぐら 「房州どん」1,814円(税込)
なめろうがタップリと乗っていて刺身も厚切りでボリュームがあり、香の物、味噌汁が付きます。あまりインパクトは感じられませんが食べ応えはあります。
●食事処 しばやま「ちょっとぜいたく丼」1,890円(税込)
お店が鴨川シーワールドの臨時駐車場の中にあるので、パッと見では見つけられないお店です。地魚刺身と一緒に貝柱のかき揚げや煮物が乗っかっている海鮮丼で、サラダ、香の物、味噌汁が付きます。食べ進めて刺身に飽きてきた頃に、濃い味のかき揚げや煮物を食べると食欲が戻ってくる良い感じの具材チョイスです。
●地魚回転寿司 丸藤「鯵づくし丼」1,200円(税別)
鴨川では有名な地魚回転寿司のお店で、土日は開店前から観光客が並んでいます。ここの「おらが丼」は鯵を刺身、なめろう、胡麻ダレの漬けを三つの小なさ海鮮丼にして食べ比べができ、それに香の物、つみれ汁が付きます。
●あわじや「海鮮丼(上)」1,500円(税込)
前原海岸沿いにある地元の食堂兼居酒屋という感じのご夫婦二人で営む小さなお店です。海鮮丼は具材10種の「並み」(1,100円)と具材15種の「上」があり、小針、香の物、味噌汁が付きます。私が訪れた時には、地元で採れたミカンをサービスで付けてくれました。
●すし 笹寿司「活き粋丼」1,750円(税込)
なめろうがドンと乗っかった海鮮丼で、金目の炙りにぎりが一貫と味噌汁が付きます。パンチはありませんが、丁寧な仕事で美味しい海鮮丼です。最後に出てくる炙りにぎりは、味が変化するので5秒以内で食べてくれとオヤジに言われて写真が撮れませんでした(^^;
●太海フラワー磯釣センター「波太丼」1,836円(税込)
にぎり用の寿司桶に地魚、さざえ、とこぶしの刺身が盛り付けられた海鮮丼で、小鉢、味噌汁が付いています。ボリュームもあり、太海の磯を窓から見下ろしながら美味しく食べられました。
●魚屋食堂 カネシチ「鴨川漁師めし まご茶漬」1,200円(税別)
船上で〆た地魚(4~5種類から選べる)を漬けにした「まご茶漬け丼」で、小鉢2つ、香の物が付きます。セット(1,800円)にするとお刺身が付きます。このお店は正面の入り口が魚屋さんで奥に食堂があり、朝の9時から営業しています。
【ランク:★★☆】
●砂場支店 わか菜「漁り火丼」1,780円(税込)
地魚の海鮮丼に小盛の蕎麦、小鉢、もずく、香の物、カニ汁が付きます。海鮮丼は美味しかったのですが、蕎麦は手打ちとは思えないレベルだったのが残念でした。
●磯料理 うまおさ「地魚海鮮丼」1,836円(税込)
平皿に酢飯を盛り刺身と天婦羅が乗っている海鮮丼に、小鉢、香の物、味噌汁が付いている。食べ進めて刺身に飽きてきた頃に天婦羅を食べると食欲が戻ってくる良い感じの具材チョイスですが、あまりインパクトは無かったです。
●かんぽの宿「地魚の胡麻漬け丼(温玉・とろろ添え)」980円(税込)
胡麻の漬けダレは絶品で地魚との相性も良く、とても美味しかったです。海鮮丼には温玉、香の物、味噌汁が付きますが、全体的に量が少なく、もう二杯は食べられると思えるほどガッカリなボリュームでした。
●つかさ「アワビの海鮮丼」1,620円(税込)
薄切りのアワビが3枚乗っかった普通の海鮮重で、それに小鉢2つ、香の物、味噌汁が付きます。アワビは原価が高いからしょうがないですね。カウンター中の板場では何か夫婦喧嘩してたみたいで険悪な雰囲気でした。
●川京 「さざえのおらが丼」1,100円(税込)
さざえを甘辛く煮て野菜と一緒に卵でとじた丼ぶりで、香の物、味噌汁が付いています。地味で質素な丼ぶりですが、さざえの煮汁でご飯が進みます。
●チェルカトローヴァ「かずさ牛と海の幸のステーキ丼」1,800円(税別)
お店のコンセプトがイタリアン&ハワイアンということで、お洒落で野菜たっぷりなヘルシーな海鮮丼にサラダ、コヒーが付きます。乗っかっている具材はレアーで焼いたステーキ(6切れ)にイクラとホタテが乗っており、ステーキは特製ダレ、ワサビ、レモン汁の3種でいただきます。
【ランク:★★】
●磯料理 あみもと「地魚・はばのり御飯」1,620円(税込)
はば海苔をご飯に上に敷いて地魚の漬けを乗せた海鮮丼で、小鉢、アラ汁、香の物が付きます。はば海苔を初めて食べましたが、さして感動もなく丼ぶりの量が少ない方が印象に残りちょっと残念でした。店舗の建物がお城みたいで無駄に立派でした(^^;
●いいとこ 「鯛めし」1,300円(税込)
鯛めしは美味しかったのですが、大盛りの鯛めしに小鉢、香の物、味噌汁だけという芸の無い丼ぶりだったので、あと一品おかずが欲しくて鯵のなめろうを追加注文しました。さざえカレーの方が美味しくて印象に残ったので、さざえカレー丼にした方がウケると個人的には思います。
●中国料理 東洋「海鮮あんかけ炒飯丼」1,700円(税込)
鴨川駅北口の入り口にあるお店で、鴨川に本格的な中華料理屋が少ないせいか、いつも結構混んでいます。あんかけ炒飯丼に漬物、中華スープ、杏仁豆腐が付いてボリュームもあり味も悪くはないのですが、海鮮あんかけの具材は旬の地元食材なのかちょっと怪しかったです。ハーフサイズ(1,080円)もありました。
●旅館 江澤館「おらがさざえ丼」1,620円(税込)
さざえを甘辛く煮て野菜と一緒に炊いて卵でとじた丼ぶりで、小鉢2つ、香の物、味噌汁が付いています。地味で質素な丼ぶりですが、さざえの煮汁でご飯が進みます。
●道の駅 鴨川オーシャンパーク「ひかり丼」950円(税込)
平皿にご飯を盛って秋刀魚の酢漬けとさわらの刺身を乗っけた海鮮丼で、小鉢、香の物、味噌汁がつきます。あまりパンチが無く、印象に残らない海鮮丼でした。
【ランク:★☆】
●和食処 藤よし「房州三彩丼」1,400円(税別)
鯵、金目鯛、地魚を三つを小丼ぶりにして食べ比べができる海鮮丼です。お店は和食のファミリーレストランという感じで、店内が何かザワザワしていて落ち着かない雰囲気でした。
【ランク:★】
●鴨川ホテル三日月「三日月海鮮丼」1,500円(税込)
海鮮丼には、小鉢、茶碗蒸し、香の物、味噌汁が付きますが、具材にボリュームが無いのでチープ感が漂います。有名で立派なホテルなのにガッカリなレベルの海鮮丼でした。
●鴨川館 「かずさ和牛のステーキ重」2,000円(税込)
地元では有名で立派な旅館が提供する1日10食限定の海鮮丼で、香の物、味噌汁が付きます。お値段もそれなりだったので期待して行ったのですが、肉はペラペラで3分の1は野菜が乗っており濃いタレの味しか印象に残らないお料理でした。
●生簀籠 「房州丼」1,728円(税込)
鴨川グランドタワー1階にある立派な和食のレストランで、ランチ限定のアワビが3切れ乗っかった地魚の海鮮丼に、小鉢、茶碗蒸し、香物、味噌汁が付きます。海鮮丼の酢飯がご飯に寿司酢をかけた様な状態で全然美味しくなかった。折角の地魚が可哀そうなレベルでした。
【ランク:☆】
●地魚処 すずき家「元祖、伊勢海老天丼」1,700円(税別)
伊勢海老の半身を天婦羅にした天丼に、香の物、味噌汁が付きます。伊勢海老の天婦羅というよりはフリッターといった感じで、衣に油がたっぷりと浸み込んでいて折角の伊勢海老が可哀そうでした。ノンアルコール・ビールで油ぎったご飯を流し込んで食べたけど、二度と注文しないと思います。
●南総軒「さんが焼き」820円(税込)
安房鴨川駅南口にある売店内で販売しているお弁当。さんが焼きは冷えてしまうとボソボソして、全然美味しくありませんでした。お店でレンチンもしてくれないので、二度と買わないと思います。
【ランク外】
●山荘「ぜいご丼」
「ぜいご」とは「山の人」という意味だそうで、山の幸である地野菜、地鶏、有機卵を使った丼ぶりメニューらしいです。今まで何回がお店を訪れましたが、「本日は提供できない」と断られてばっかりで、まだ実食できていない幻の丼ぶりです。杜仲うどん、ちらし寿司、鯵フライなどの他のお料理はとても美味しかったです。